1950

科学と技術の
コンパクト

宇宙のニュース、新しい建築や音楽がニュースだった時代。
シンプルなデザインやモチーフ(スター、リボン)が登場し、新しい素材(プラスティック)とともに大量生産の時代の面影が見え始めるのが特徴です。

フライングバタフライ

1950年代アメリカブラス

宇宙への憧れが高まり、星のモチーフが盛んに使われた1950年代を象徴する作品。円盤型のユニークなフォルムを持ち、オルゴールのネジが蝶の形をしています。戦後の混乱期をくぐりぬけ、未来への希望と自信を女性たちに与えたコンパクトです。

シビルディフェンス

1952年〜1953年アメリカプラスティック

50年代は戦争が終わったとはいえ、なかなかその脅威が消えない時代でした。そんな不安な社会において、核シェルターを各家庭に導入するように推奨されたこともあったといいます。自らの生活を守ろうという「シビル・ディフェンス」活動の頭文字を配したこのコンパクトは時代の空気を伝えています。

BIRD IN HAND

1952年アメリカ

シュールレアリスムの巨匠として知られるサルバドール・ダリのデザインです。鳥の頭がリップスティック、羽を開くとパウダー、そして尾羽にピルケースが。パフはショッキングピンクの羽毛で、30年代にファッションデザイナーのスキャパレリとダリが考案した色です。手の中にうずくまるような鳩の形をしたこの作品は両手で鳥を優しく包み込んだときの穏やかな気持ちを思い出させます。平和の象徴として作られたのでしょう。

バースディグローブ

1950年代イギリスブラス

地球儀型のコンパクト。赤道で開閉できるパウダー入れで、オルゴール機能が付いた作品です。流れ出るメロディは“Happy Birthday”。ワールドワイドに活躍する女性が生まれ育った時代の作品です。

スイス・デコ

1950年代スイスメタル

金、銀、赤という重厚な色を上品に組み合わせたアールデコ様式で、スイスらしいセンスが光るELIZABETH ARDEN社製の逸品です。天面のメタルにはヘアーライン加工が施され、角度により模様が浮き上がる仕上げになっています。

PETIE

1955年ドイツクロム合金,エナメル

珍しいものを求めた1950年代に作られ、実際に使うことのできるカメラが内蔵されたコンパクト。左半分がカメラ部分で、レンズの隣に小さなシャッターが付いています。右半分にはフィルムの予備を入れることができるスペースとパウダーコンパクト、リップがついています。性能や開閉のスムーズさ、作りの精巧さはさすがのドイツ製です。

Queen Elizabeth 2

1969〜1970年イギリスブラス,プラスティック

「クイーンエリザベス2世号」のお土産として作られたコンパクト。純白の背景に繊細な船のシルエットが描かれています。パナマ運河を通るために細長く、それゆえに「優美」と表されているこの船は、「クイーンエリザベス号」の後継としてイギリスキューナード社によって1969年に就航し、当時最大級でした。最近まで大西洋横断や世界一周クルーズなどで活躍し、2008年に現役引退、ドバイで海上ホテルとなる予定です。

PARIS MAP

1950年〜1960年代フランスブラス,プラスティック

パリを訪れたときに欠かせない観光スポットの配置が、一目で分かるコンパクト。「セーヌ川」を中心に「エッフェル塔」「サンルイ島」「平和通り」「シャンゼリゼ通り」「モンマルトルの丘」がポイントされ、ストーンが輝いています。ベースには鼈甲に見える精巧なイミテーションを使っています。パリの思い出を想像させるかのようなコンパクト。お土産としても喜ばれたことでしょう。

ブルーリボン

1951年アメリカブラス,エナメル

ロイヤルブルーに大きな金のリボンのコントラストが美しいコンパクト。フェミニンなモチーフながらも、配色や立体表現が複雑なせいか、大人っぽい印象です。50年代はリボンやハート、星型などのモチーフが流行し、シンプルな中にも上品さのあるデザインが好まれました。

オーシャン

1950年代アメリカブラス,エナメル,イミテーションストーン

南の海の色彩を思わせる、ブルーグリーンと深いブルーの石が嵌め込まれたコンパクト。小さなバッグほどの大きさがある大型のキャリオールで、中にはフェースパウダー、チーク、リップ、コイン入れ、タバコ入れがついています。50年代前後に多く見られる形態です。夏のパーティにバッグとして、存在感のあるデザインです。

花のコンパクト

1952年アメリカブラス

オリエンタルな雰囲気を持つ花をモチーフにしたコンパクト。マットとツヤ仕上げで模様が浮き立つように工夫され、彫られたようなラインが引き立っています。少し大きめですが、薄くて持ち運びやすいデザインです。

ブリリアントヌーボー

1949年〜1952年アメリカメタル,ラインストーン

アールヌーボースタイルの銀の透かし装飾に、ラインストーンを華やかに飾ったコンパクト。薄く携帯しやすく、重みも適度にあります。当時はラインストーンもジュエリーと考えられたため、他の宝石同様税金がかかったとか。それでも、女性たちは光り輝くものに憧れ、持つことを望みました。

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