1930

アールデコの
コンパクト

アールデコが洗練されたデザインへ昇華し、整理された線やきれいな色合いが特徴の時代です。
注目された女性像(女性飛行士)や大統領の愛犬(ファラ)がモチーフとなるなど、社会の関心を反映したデザインが制作されました。
素材や機能なども多様な広がりを見せ、チークやリップだけでなく、ライターや時計なども付随され、さまざまな形が作られ始めました。

アールデコカラー(ミントグリーン)

1930年代アメリカクロム合金,エナメル

アールデコの特徴が顕著な品のひとつで、ミントグリーンのカラーが美しい逸品です。鞄をモチーフにした、2つの銀色のラインとふっくらと丸みのあるデザインが、このカラーを引き立てています。中にはフューシャピンクのチークとフェースパウダーが入る設計で、間には鏡が挟みこまれています。

イエローローズ

1930年代アメリカプラスティック

1930年代、プラスティックは画期的な素材として様々なものに取り入れられ、流行しました。このコンパクトにはベークライトというプラスティックの一種が使われています。製造後に磨き上げる行程が入る、良質な素材です。バラが立体的に彫られたように見える、楽しい作品です。

ペインティングパイロット

1930年代イギリスブラス,ラッカー

ハンドペインティングで女性飛行士が描かれています。1920〜30年代に憧れられた職業で、パイオニアの一人のJacqueline Cochrane(1910-1981)は、1932年にパイロットライセンスを3週間で取得、その2年後に化粧品会社を設立するなど成功を収めました。同年エアレースに出場、1938年に3度目の挑戦で優勝したという記録が残るなど、女性が男性と肩を並べて歩き始めた時代を象徴する出来事が背景にあります。

アールデコカラー(ブルーグラデーション)

1930年代アメリカクロム合金,エナメル

ロイヤルブルーを4段階にカラーリングした、アールデコ・コンパクトの1つ。すっきりとした表現の中に丸みも感じる優しいデザインで、携帯に便利な小ぶりサイズです。後ろの扉からおしろいを入れてバネをつかって押し出す仕組みや、当時には珍しいしっかりとした鏡を採用しています。

アールデコ(ピンク・ブルー)

1930年代フランスクロム合金,エナメル

華やかなパステルトーンのアールデコ・コンパクトの1つ。フランスらしいマカロンカラーです。中には磨き上げられた金属が鏡として備えられ、プレストパウダーとチークやアイブロウが入るようになっています。当時の女性の頬を飾った、華やかな発色のチークが今も残っています。

キャリオール(マスキュリン)

1930年代アメリカ銀,金張り,金メッキ,サファイア

シャープなフォルムにシルバーと金が幾何学的に配置され、留め金にサファイアが施された豪華で高機能な逸品です。白粉とリップ、ライターがセットされ、さらに煙草を収納できます。ダンディにかっこよく装った女性が手にしたのでしょう。

アールデコカラー(イエロー・パープル)

1930年〜1931年アメリカクロム合金,エナメル

パステルトーンのアールデコ・コンパクトの1つ。すっきりと軽い、小ぶりのチェーンバックです。パウダー・チーク・リップが入り、中にも細かくレリーフが施されています。これ1つを持って外出した女性は、スマートに化粧直しをしたことでしょう。

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